青森市の魅力を探る。「郷土料理って面白い!」

浦町小学校6年2組の総合的な学習の時間の一環で「青森市の魅力って何だろう?」というテーマから、あおもりの食材や歴史を切り口に魅力を発見しようとした児童のグループ4名が青森市役所を訪れました。

今回は郷土料理研究家の千葉彩子(ちばさいこ)先生を講師にお招きして、食の歴史から郷土料理についてのお話がありました。
テキストに「あおもりの春夏秋冬 郷土の料理」(東奥日報出版)を使って、郷土料理から青森の歴史や文化を勉強します。
たらのじゃっぱ汁やけの汁は知っている児童も多かったのですが、初めて見る料理もたくさん。
青森の郷土料理は保存食の文化のため、秋冬のものがすごく多いそうです。

また、青森の正月は「鱈正月」と呼ばれるくらい、タラを一匹まるごと使いお正月の料理を作るというお話にもみんな興味をもって聞いていました。最近のお正月では、家庭でなかなか作られることも少なくなってきた料理も多く、まさに「ご馳走」です。

その土地に昔から伝わる料理には、それに見合った理由があり、また歴史があります。例えば「けの汁」は、小正月にお嫁さんが実家に帰る日のために、大なべにたくさん作って家族に用意していったものだそうです。日を重ねるほどに味がしみ込みおいしくなってくるのも特徴の一つです。
学校給食でも、けの汁などはメニューにあり、献立を作る栄養士さんも郷土料理を取り入れるよう努めてくださっているそうです。
千葉先生のスライドを見ながら、みんな一生懸命お話を聞いていました。一緒に聞いていた私たちも大変勉強になりました。
先人の知恵や歴史がたくさん詰まっている郷土料理は、普段着の料理ともいえるものですが、2013年12月にユネスコに文化遺産として登録された日本の和食は、豪華なご馳走だけでなく、こういった昔ながらの伝統的な日本の食文化も含まれています。
美味しい食材に囲まれ、また伝統的な食文化を持っている青森は、自慢できる大きな魅力の一つだと児童達は学んでいったようです。

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【郷土料理研究家 千葉彩子先生プロフィール】

青森市生まれ、郷土料理研究家、栄養士。青森県立中央病院運営審議会委員、青森市社会教育委員などを歴任。料理教室講師の傍ら、テレビの料理番組や新聞、雑誌、料理コンクールの審査員、講演などで活躍中。著書に「あおもりの春夏秋冬 郷土の料理」など。

※料理漫画「美味しんぼ」の100巻(日本全国味巡り青森編)にも登場されています。kyodo5