青森のお正月といえば、「ナマコ」そのコリコリした歯ごたえは絶品です。
ナマコは水温が低くなると盛んに活動するため、肉が良く締まり、冬至の頃が一番おいしいとのことから「冬至なまこ」ともいわれています。
漁獲量は北海道に次いで青森県が第二位で、毎年1,200~1,500トンが安定して水揚げされています。
中国では、古くから健康食材や高級食材として珍重され、青森県産のナマコは、中国へも輸出されています。
[ナマコと日本人]
ナマコと日本人の関わりは古く、平安時代以前から食されており、古事記には「海鼠(なまこ)」の名で登場します。ナマコは中国では昔から強壮剤として好まれ、海の朝鮮人参という意味で「海参(ハイシェン)」と呼ばれていました。日本の沿岸部で獲れるナマコは評判で、江戸時代には乾燥ナマコが、干しあわび、ふかひれと共に中国に大量に輸出されました。
[機能性]
日本では食材以外にも漢方薬や薬膳料理として古くから利用されていました。ヨウ素やカルシウム、コンドロイチンが含まれており、腎臓の機能促進、老化防止や滋養、利尿作用、血液浄化の効果があります。また、乾燥させたナマコは、漢方薬や高級食材として需要の高い香港・中国に輸出されています。日本産のものは品質の良さから「黒いダイヤ」と称され、トップブランドとしての地位を保ち続けています。
[種類]
ナマコは各地の海に広く分布していて、世界では約1500種類、日本だけでも200種類位のナマコがいるといわれています。
その中でも、日本で主に食べられているナマコは「マナマコ」という種類で、一般的にアカナマコやアオナマコ、クロナマコと呼ばれています。
[海の掃除屋さん]
ナマコの食生活は、砂や泥の間の有機物、砂や泥に付いているバクテリアを選ばずに食べています。
砂ごと食べてきれいな砂を排泄するので、「海の掃除屋さん」といわれることもあります。
[特徴]
体の90%以上が水分で、体表は主にコラーゲンから成る厚い体壁に覆われています。
特に肉厚でイボの多いものが高品質とされ、陸奥湾産のナマコはイボが大きく色が黒いことで珍重されています。
[ナマコの資源確保に向けて]
県内では、資源管理のため漁期を10月から4月(地域によっては12月のみ)と決めています。
また、市では、稚ナマコの生産と放流を行い資源確保に努めています。
●目利き
新鮮なものほど硬くて弾力性があります。皮がとろっとして溶けかかっているものや、イボがくずれているものは避けるようにしましょう。
手に触れると皮がとろけてきて、質の低下が早いので、調理は手早く済ませることが大切です。
●さばき方
(1)両端を切り落とす。
(2)腹側に包丁を入れて「このわた(腸)」を取り出す。
(3)塩をさっと振り、もみ洗いして砂など内側の汚れを落とし洗い流す。
(4)料理にあわせてナマコを切る。
※塩漬けにした「このわた」は、「からすみ」「うるか」などと並んで日本の珍味の代表と言われています。
皮にそって中身を取り出し、生のまま皮だけを醤油につけて、食べるかたもいます。
●調理方法
ナマコ料理の定番といえばナマコ酢です。
【ナマコ料理の定番!ナマコ酢】
材料:ナマコ、レモン(または柚子)、生姜、二杯酢または三杯酢
(1)さばいたナマコをレモンか柚子の輪切り1枚か2枚が入った薄い酢水につけておく。
(2)食べる直前に厚さ3ミリくらいの薄切りにし、二杯酢または三杯酢をかけ、細かく切った生姜を飾る。
※お好みで細かく切った柚子の皮を飾ります。
※酢水につけず、生のナマコにしょう油をつけて食べる方法もあります。