けの汁

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青森の冬を代表する郷土料理に「けの汁」があります。
けの汁は、年末年始に家事や来客に追われる主婦を、小正月(1月15日頃)に休ませる意味合いや、実家へ里帰りするための作り置きの料理であったといわれています。青森の野菜たっぷり、栄養満点の「けの汁」を紹介します。

●由来
「け」とは「粥(かゆ)」のことで、「けの汁」とは「粥の汁」が訛ったものです。
米が貴重だった昔、山菜や野菜を米に見立て細かく刻んで食べたのが始まりです。
津軽の七草ともいわれ、豪雪で春の七草が摘めない東北地方の北部には、小正月のけの汁に七草粥の意味をこめているともいわれています。

●栄養豊かな保存食
主に、だいこん・にんじん・ごぼう等の野菜類と、ふき・わらび・ぜんまい等の山菜類、それに、油揚げ・凍み豆腐等を材料としています。
大きい鍋に作り置きし、食べるときに少しずつ取り分けて温めなおす保存食として重宝されてきました。日がたてばたつほど味がしみて美味しくなるといわれています。

●作り方
(1)だいこん・にんじん・ごぼう等の野菜類、ふき・わらび・ぜんまい等の山菜類、油揚げ・凍み豆腐等を刻んだときに同量になるよう準備し、5mm程度のさいの目に切る。
(2)昆布だしで煮込み、みそで濃い目に味付けする。
(3)食べるときは少量ずつ鍋にうつし、水を加えて食べやすくのばす。

地域や家庭によって材料や切り方、味付けなど調理の方法が異なり、大豆やこんにゃくを入れて煮込む家庭もあります。