こんにちは!青森市地域おこし協力隊のクロタケです。
みなさんは青森県で「赤い果実」と言われたら何を想像しますか?
多くの皆さんは「りんご」をイメージするかと思いますが、実は青森県は「さくらんぼ」の栽培も盛んで、ちょうど今の時期に収穫前の準備に入っています。
4月末にさくらんぼの栽培講習会に参加させていただき、そこでお会いした「青森市さくらんぼ生産組合」の組合長、新谷さんにお話を伺ってきました。
今回は青森市のさくらんぼについて、ご紹介します。
【さくらんぼの主な産地】
さくらんぼは「一定の期間、寒い時期を過ごさないと翌年実がつきにくい」という特徴があるため、主な生産地は寒い地域か高地に集中しています。
そのため、本州最北端の青森県はさくらんぼの栽培に適した地域なのです。
青森市内で栽培されている代表的な品種は「佐藤錦(さとうにしき)」と「紅秀峰(べにしゅうほう)」。
「佐藤錦」は皮がとても柔らかく果肉はジューシーで糖度が高いのが特徴のさくらんぼ。
「紅秀峰」は佐藤錦と比べると大粒で、皮が少し硬めでとても食べ応えがあるさくらんぼです。
【おいしいさくらんぼを作る摘果作業】
新谷さんの園地にお伺いしたときは「摘果(てきか)」と呼ばれる作業の最中でした。
さくらんぼの栽培には「施肥(せひ)」「受粉」「摘果」「収穫」といった工程があり「摘果」はおいしいさくらんぼを作るうえで大事な作業になるそうです。
新谷さんのコメント
「通常、さくらんぼは一つの株から7~8個の果実をつけるが、全ての果実を成長させてしまうと養分が分散してしまう。そうなると、おいしいさくらんぼにならないんだ。
だから、果実に養分が集中するように大きな果実を2~3個残して、小さな果実を摘んでしまいます。
そうすることで大きく甘いさくらんぼになるんだ。」
【生産者のさくらんぼへの思い】
「農業に正解はないんですよ。全て今までの経験による積み重ねでやってきています。土1gには1億以上の微生物が存在すると言われていて、この微生物の働きで味がかわるんです。植物にとっていい微生物が活発に活動してくれないとおいしいさくらんぼに育たないんです。」
とおっしゃる新谷さん。
肥料には独自の思いがあり、様々な工夫を重ねてきたそうです。
新谷さんの農園では長年研究を重ね、「米ぬか」から作った自家製の肥料を使っているそうです。温度管理を徹底して1年熟成させて、化学肥料は一切使っておらず、人が食べても無害なんだとか。
12年前にこの肥料を使い始めて、5年目くらいから「おいしいさくらんぼだ」と口コミで広まり、今では沢山のリピーターがいるそうです。
「自信を持ってみなさんにおいしいものを届けたい。だから絶対手は抜きたくないんです。」とおっしゃる新谷さん。
まもなく収穫を迎える、生産者の思いが詰まった青森市のさくらんぼ。
収穫の時期にまたお伺いしたいと思います。
※青森市のさくらんぼ収穫時期
佐藤錦 6月下旬頃
紅秀峰 7月上旬頃